海外駐在員が退職・途中帰国を防ぐためにに企業ができる2つの対策

海外駐在員・赴任員が突然退職してしまい、後処理に追われていませんか?
それにより事務処理手続きや新たな社員の雇用も面倒ですよね?

海外駐在員・赴任員の途中退職や途中帰国は企業としてはなんとしても防ぎたい問題です。
しかし、実は海外駐在員の約25%が帰任後2年以内に退職すると言われており、
企業がなにも対策をしなければ、従業員は簡単に辞めていきます。

特に海外赴任はストレスがかかりやすく、鬱になる人もいるほどです。

そこで、企業として必要な対策を2つ解説します。
また、万が一海外赴任員が退職してしまった場合の対処方法(帰国費用は?退職金は?引越し費用は?)についても解説しています。

 

海外駐在員の約25%が帰任後2年以内に退職

 アメリカで2002年に行われた調査によると、4人に1人の割合で海外赴任者が帰任後2年以内に辞めているそうです。
(Lazarova and Caligiuri 2002)

また、海外赴任中に転職活動を行い、退職をして転職した事例や海外駐在中にトラブルにより途中帰任をし、退職に至ったというケースは多くあります。

こちらの調査からもわかるように、多くの人が海外駐在員を途中退職していることがわかります。
その理由としては、先の調査結果によると下記のようなものがあげられます。

「海外に比べて挑戦性のない仕事が割り当てられた」
「海外で培った獲得したスキルが生かせなかった」
「海外に出ている間に昇進機会がなくなった」
「海外のように自立的な仕事を行うことができなくなった」

このように、海外駐在員の退職を考えるケースは様々です。
次章ではより具体的にその理由を見ていきましょう。

海外駐在員が退職を希望する5つの理由

海外駐在員が退職を希望する理由は大きく5つです。また、海外赴任中だけではなく、日本に帰国後にも退職する人は多くいます。
また、下記記事では海外赴任員やその家族がメンタルヘルスを発症しやすい理由について解説しています。
ぜひご覧ください。

参考:海外赴任・駐在に疲れるのは当然!ストレスを感じる5つの理由と対処法

1,キャリアアップ・スキルアップをしているのか不安になる

海外駐在中の業務がどれくらい自分のスキルアップにつながっているのか
ということを疑問に思っている駐在員は少なくありません。

私の知り合いの駐在員の方も同様の理由でコンサルティング業界や金融業界へ転職していきました。
現地のスタッフのマネジメントや業務は大変な場合が多く、業務のモチベーション低下も原因のようです。

2,海外の文化・言語・食事に順応できない

異国の地での生活に耐えきれず、日本に帰宅したくなるケースです。
会社に途中帰任させてくれとも言いづらく、またそのまま日本本社に戻るわけにもいかず、
退職をするというパターンが多いようです。

実際に海外駐在員中に鬱になるという例は多くあります。
また、海外駐在員は問題なくとも、その妻や家族が日本への帰国を希望し、それに合わせて帰国するということも多いようです。

3,現場の上司・部下とのトラブル

3つ目に多いのが、現地の上司や部下とのトラブルです。
特に、現地の上司からのパワハラ・セクハラに耐えきれなくなり、退社するということです。

日本であれば、多くの知り合いや友人がいますが、海外の日本人コミュニティは狭く、上司の日本人と2人きりの時間を多く過ごすというケースも多いです。
そのようなケースでは、上司と相性が合わなかった場合には逃げ道がなくなり、やんでしまうという例があります。

4,海外の孤独に耐えられなくなり、日本に帰国したくなる

海外で孤独感を感じ、日本にとにかく帰国したくなる
というケースです。

駐在員の方でも駐在員同士のつながりはあるが、現地の友人はいないというケースは多いようです。
現地にも溶け込むことができず、日本人同士でつるんでいるということも原因の一つのようです。

5,駐在後も裁量の低下を感じる

海外駐在員は多くの場合、役員や社長と近い距離にあり、また、現地スタッフをマネジメントする立場にいるため、日本で働いている場合より裁量が大きい場合があります。

そのため、帰任後に裁量の低下を感じ、自分のキャリアを再考するということがあっても自然です。
実際に下記のような声が上がっています。

ダイヤモンド社と中原研究室との共同調査によると、帰任者の60%は裁量の低下を感じ、53%は役職が低下したように感じるという調査結果が出ています。多くの方から出る言葉は「自分が小さくなったような感じ」というもの。

「結果的に離職はしなかったものの、帰任後に『このままでいいのか』という思いが沸き上がった人も入れると、相当数が離職を考えたと思います」と言う方や、「本社に戻ったらいきなり一マネジャーに戻ってしまって、何かガクッていう感じなんだよね」と話す方もいました。

海外赴任は日本では予想できないこともあり、非常にタフで濃密な経験です。
そうしたことを経験した人にとって、日本で帰任して、従来と変わらないデスクワークをこなすというのはやや物足りなく感じ、転職を考えるというケースが多いようです。

海外駐在員が退職を希望した場合、帰国費用や引越し費用は誰が負担?

結論から言いますと、社内規定によります。

社内規定で企業が支払うと明記されていれば企業が支払いますし、
そうでない場合従業員が全額負担します。

海外駐在員が途中退職をした際に、このような帰国費用や引越し費用を企業が払わなければいけない法律はありません。

そのため、各企業での規定に定められていることがベースとなるでしょう。退社手続きにあたり、本社に戻り、事務処理手続きをする必要がある会社もあります。

その場合、駐在員が退職手続きとはいえ、日本に帰国しなければいけないため帰国費用を負担するのが妥当かと思います。
一方で、そのような手続きが特に必要なく、社内規定にもそのような費用を負担することが明記されていないのであれば、特に支払いは必要ではないようです。

海外駐在員の退職時に退職金は支払うべきか?税金は?

こちらも結論を言えば、社内規定によります。
退職金の支払いは役職や勤務年数にもよると思いますが、もしその対象であれば退職時に駐在中であっても企業が支払いはすべきでしょう。

しかし、ここで注意が必要なので税金の扱いです。
退職日を海外で迎えたか、日本で迎えたかによって、居住者であるか非居住者であるかの扱いが異なるため、課税方法が異なります。

ちなみに、退職金の支払いは退職から1.2ヶ月後ということが一般的ですが、ここで重要なのはあくまでも「退職をした日」です。
ここは勘違いされる方が多い点なので注意して下さい。

日本で非居住者として退職金を受け取る際には、支払い時に20%の税率で源泉徴収がされます。
そのため、日本で受け取るより手とり額が少なくなってしまう可能性があります。

このように、レアケースではありますが、海外駐在員・赴任員が途中で退職をするということはあるので、
トラブルを回避するためにも、社内規定に忘れずに記載しておくことが大切です。

海外駐在員の退職を防ぐための対策2つ

1,海外駐在員・赴任員の人材採用・選定方法を見直す

1つ目の対策は、海外駐在員・赴任員の人材選定方法を改善・明確化することです。

駐在先は会社の意向で決まるため、本人の意思に反するものも少なくありません。

特に、欧米を希望していた社員が東南アジアや中国、南米に勤務すると適用できないということも当然です。

駐在員には海外で勤務経験があることや留学経験があることは必須の条件としておいたほうがよいでしょう
また、海外生活では想定外の事態にも対応する処理能力やメンタルの強さが要求されます。

完璧主義の人や清潔な環境を好む人のような方はそもそも海外生活に適応できる可能性は低いため、
派遣しないほうがよいでしょう。

2,駐在中のサポートを綿密にする

海外駐在中のサポートは必須のものです。

海外駐在中には本人や会社も予期しないトラブルが発生します。
そのため、日本でバリバリ活躍し、メンタルの強いひとでも多くのストレスを受ける環境で、参ってしまうこともあります。

また、海外では日本人コミュニティが狭く、相談できる相手が少ないことや

現地の言葉を理解できないこともあり、こうした悩みを相談することは当然難しいです。

そのため、海外赴任者と常にコミュニケーションを取れる仕組みを確立することが重要です。

メールでも電話でもオンライン会議でも問題ありません。重要なことは、なにか異常が発生したらすぐに相談することができる
窓口が必要なのです。

ただこういった仕組みは多くの企業でなかなか確立されておらず、こうしたサポートがないために従業員の退職につながっているケースが多数あります。
定期的にコミュニケーションをとっていれば、駐在員がモチベーションの低下、転職の意向

などを事前に察知することができるのです。

ただ、人事だけでこのようなサポートをおこなうことは難しいため、下記の「駐在ライフ」のようなサービスを活用することがおすすめです。

駐在ライフ-駐在員向けメンタルヘルスケアサービス-

また、下記では駐在員のメンタルサポートを提供している会社をいくつか紹介しています

参考:海外駐在に必須!メンタルサポートサービス11選を紹介!人事必見

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